あれは去年、そう2000年の出来事でした、とある日曜日の夕方・・・ (2010/05/29) 微音空間とは特に関係のない話をくたくたと

あれは去年、そう記念すべき2000年の出来事、ある日曜日の夕方のことにございます。
私はとある地方都市にて習い事をしているのですが、その仲間達と喫茶店、いえ、小気味よいカクテルなんぞも置いてありましたところを考えますと、おしゃれなショットバーという類のものかも知れません。70歳の女性を先頭に30代、20代、10代後半・・・、10人近くがどやどやと薄汚れた身なりのまま、何のためらいもなく入り込み、土に汚れたズボンのお尻をものともせず、テーブルにつき、メニューを奪い合いながらわいわいと喧しく騒いでいた時のことにございます。
いらっしゃいませ、少々、おびえたかのように、いえ、そのようなことはないと確信しておりますが、女の子、注文を取りにやってきたのでございます。
一瞬、そう、何気なしに彼女の顔に私の視線が届いたその瞬間、私は驚きのあまり息が出来ませんでした。女の子、中尾幸世さんにそっくり・・・。
あたかも『川の流れはバイオリンの音』から抜け出したかのようでございます。
実は私、すっかりばてておりましてテーブルについても、くたぁぁーっとだらしなくしていたのですが、しゃきぃぃんと一変。
甲斐甲斐しくも注文をとりまとめ、注文を繰り返す彼女にうんうんと優しく頷き、うん、それでいいよと優しく声をかける。後はもう言うまでもありません。
彼女のことが気になり、仲間内の話にも、「ん・・・」、「あぁ」、「ふーうん」と気のない返事だけ。実際、今でもどんな話で盛り上がっていたのか全く見当がつきません。
あぁ、しかししかし、意気地のない私でございます。食事と歓談の後、レジにて割り勘にて支払いを済ませ、何事もなく店を後にしてしまったのでございます。
その後、あの店には一度も行っておりません、ここ一番、意気地のない私でございます・・・。